デジタル性暴力とは、デジタル機器や情報通信技術(ICT)を用いた性暴力被害のことを指します。
「同意していないのにスマートフォンなどで性的な動画や画像を撮影された」
「撮影された性的動画や画像がSNSやアダルトサイトにアップされ、拡散している」
「違法サイトなど許可の範囲外にまで拡散されており、実生活において不利益を被っている」 など・・・
性的な盗撮、児童ポルノ、リベンジポルノ、アダルトビデオの他、性的同意なしに行われる以下の行為などが挙げられます。

撮影や頒布をする

実際に性的な動画・画像を撮影することだけではなく
「撮らせて」「送って」と言うこと自体もデジタル性暴力です。
・第三者に見せること(無断転載・SNS上に載せる・友達に送る 等)
・身元を特定すること(個人情報を特定する・個人情報をネット上に掲載する 等)
・他者と売買すること(インターネット上で売買する 等)
なども該当します。

1

頒布することを脅しに使う

性的動画・画像を用いて「別れたらばらまくぞ」など相手を脅すなど、
相手の「弱み」として利用する行為が該当します。
また、「身元をバラすぞ」といった脅しもデジタル性暴力にあたります。

2

性的な画像等を保存しつづける

同意のない動画・画像はもちろんのこと、撮影に対して同意があったとしても
その時の撮影には応じたものの「保存をすること」に対しての同意は定かではありません。
相手に心理的負担がかかっているにも関わらず、保存し続けることはデジタル性暴力にあたります。

3

フェイクポルノを作る

フェイクポルノとは、特定の人間の顔をアダルトビデオなどの性的な動画・画像(AIなどで作成されたものも含む)と
無断で合成し架空の性的な動画・画像をつくる行為を指します。(アイドルコラージュと呼ばれることもあります)

4

デジタル機器や情報通信技術(ICT)とは?
スマートフォンやパソコンなどのデジタル機器や、それを利用したデジタル技術を指します。


当団体には、高校生や中学生から児童ポルノ・性的な写真を送ってしまった・盗撮についての相談が寄せられます。18歳以降の方からは、意に反したアダルトビデオやグラビアの拡散、リベンジポルノなどの相談が寄せられます。これらはすべてデジタル性暴力被害です。
一度でもデジタル性暴力の被害にあうと、常に誰かに性的な映像が見られているのではないかという恐れから精神的な不調を訴える方が多くいるのも特徴です。

残念ながらデジタル性暴力自体を規制する法律はなく、さまざまな法律を間接的に用いながら加害者を処罰していくことになります。
巧妙化・先鋭化・深化するデジタル性暴力犯罪に対しての法整備が強く求められます。